別所遺跡
(べっしょいせき)
松原市別所7から9丁目所在
市域の北東に位置する古墳時代・奈良時代・中世の集落遺跡で、その範囲は大阪市との市境界にまで及びます。北側の大阪市側では、長原遺跡となります。また本遺跡内には、中世には「別所城」と呼ばれる城砦があったと伝承されています。発掘調査では、城砦の痕跡は見つかりませんでしたが、奈良時代の大型掘立柱建物跡と井戸跡が発見され、多数の土師器や須恵器が出土しました。
また、本来古墳に飾られるべき円筒埴輪が整地された土層の中から多数散乱した状態で発見されました。おそらく奈良時代に付近にあった古墳を破壊して、宅地や農地に替えたものと思われます。別所村の古絵図に「山」と記された箇所がることや近年まで付近に小山が存在していたものが、おそらくその名残りでしょう。隣接する長原遺跡では、多数の破壊された古墳が発掘調査で発見されており、長原古墳群と呼ばれています。大和川も市境界もなかった古墳時代、長原古墳群は大きく広がっていたのでしょう。
遺構




ここでは、井戸跡が掘りあがるまでを順にご覧下さい。

まだ井戸跡の中を掘る前です。井戸跡の輪郭があらわれたところです。



井戸跡の中を掘り下げていくと、土器や埴輪などの破片が出土ました。
井戸を埋めたときに一緒に埋められたもののようです。





最初に出土した土器や埴輪の破片を取り除き、さらに井戸の埋め土を掘り下げました。
須恵器の皿や壺が、もとの形に近い形で残っていました。



さらに掘り下げると、井戸の使用時に溜まった土と思われるヘドロ状の土が出てきました。
井戸底に近いところでは、土師器の皿が無傷で出土しました。



ようやく掘りあがりました。1,200年ぶりに井戸底に太陽の光がさします。
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