8月の生活

まつばらの民話をたずねて

私たちの暮らしや生活様式、子どもたちの遊びなど、時とともに変わってきました。その月々の生活や行事など、昔はこんなことがあったのかと、今では懐かしいと思う行事や遊びなどを紹介していきます。

8月の生活

葉月の文字
8月、浴衣を着た子どもたちが花火をしているイラスト

 八月は8月1日の八朔、8月7日の7日盆(「なのかぼん」または「なぬかぼん」と言う)から始まって8月24日の地蔵盆まで先祖供養行事に忙しい一ヶ月でした。 8月7日、12日、13日、15日、24日は宗派、地区によって多少の日付としきたりのずれはありますが、この月は先祖供養が主な行事でした。ただし、通称「門徒」または「おひがしさん」と呼ばれる宗派の家庭はさほど大きくはしませんでした。また、八朔の日は世話になった家へ中元を持って挨拶へ行く家もあったようです。贈り物はそうめん、乾椎茸、トビウオの干物が一般的でした。これらの品は新盆(本来は「にいぼん」、通称話す時は「新仏(しんぼとけ)」と呼ぶ)の家庭へのお供えの持参品も同じような品物でした。その他には八朔は別にこれとした行事はなかったようですが、若林の東山内家の使用人賄帖によれば、八朔に「とうきびだんご」を作っている所からすると一つの節目であったことは確かです。しきたりのような事はのこっていませんが、「盆のしまいはもう八朔(旧9月1日)。昼寝もしまい(終り)で袷に着替えてまた嫌な夜なべ」と唄われたように8月1日の八朔から昼食が終わると、どこの家も1~2時間昼寝の習慣があり、9月の八朔で昼寝を終えて夜なべにはいりました。

 さて、8月7日は7日盆といって七墓参りをしました。七墓参りとは行基七墓と言って、行基さんがつくったと伝えられるお墓が七墓あり、中でも三宅の墓、我堂の墓は特に親しみ深く、二十年前位までは、松原の人も「この二墓だけは」と参る人と良く出会ったものでした。もちろん戦前まではお正月と7日盆に七墓に参る事は、松原の人々にとって生活サイクルの一つでした。しかし最近では七墓参りはもとより、その存在すら忘れかけられようとしています。三宅のお墓は大層立派で古い時代から栄え、学問を重んじた松原に住む人々の姿を彷彿させるに足る感動があります。また、我堂のお墓では多くの民話が生まれ育てられて大切に受け継がれています。ほんの少し昔の事、我堂のお墓が堺地区に入るのか、松原地区になるか行政上で線が引かれる事になったとき、我堂の人々は行基さんのお墓を守らなければと堺市側の墓になる事を拒み、村全体が一丸となって守ったという出来事がありました。この事は、我堂で生まれ育った人々のほこりとなったのでしょうか、行基民話と平行して生き生きとした我堂の人々の姿が民話となって数多く語りつがれています。ちなみに、我堂の墓は「あさかの墓」と言いますが、この「あさか」の字について、堺の地名は「浅香」松原は「阿坂」(字名は消えたが、阿坂の墓で残っている)と書きます。

8月15日のお盆の迎え方は、宗派によって違いました。松原では浄土宗や大念仏宗は盆のしきたりがありましたが、真宗の盆行事は簡単に済ますというように、宗派別に書くと長くなるので松原の一般的にみる風習として書きます。

 8月12日は墓掃除の日でした。この日は掃除のみで帰りました。そして、13日は精霊、通称「おしょうらいさん」を迎えます。麻の茎の皮を剥ぎ取ったものを「おがら」と言います。(現在も盆前には花屋で売られている)これを道の辻にする家もあれば、家の前でする家もありますが、竹で横三本縦五本を井形に組んで(竹組を見た事無い地区もあります)、おがらでおしょうらいさんの松明かりを作って迎えたそうです。お供えは浄土宗では蓮の葉、ドロイモの葉を敷いてその上に栗、柿、キュウリ、なすび、ほうずき、お菓子などを供える家もありましたが、一般的にはスイカをどっかりと中心に供え、その周りに野菜、木の実、くだものホオズキなどを供えたようです。

14日~15日は盆です。15日の昼過ぎ3時頃になると「遅くなると仏様が帰るのになんぎしやはるから」と言ってお供えものと、帰る途中空腹になったり、帰る事を妨げる悪い者への袖の下にと渡すおにぎりを一緒に包み、仏様のおみやげとして川へながします。

16日からは藪入りです。藪入りは嫁が実家へ帰る日で、盆と正月と二回あります。20日頃に盆踊りがあります。地区毎の唄は江州音頭や鉄砲節(河内音頭)に打ち消され、今は唄われなくなりましたが、唄の内容からは当時の農業生活が偲ばれます。

23日の夜から24日の夕方迄行われた地蔵盆です。今は地区行事より子供会行事へ移行傾向となり、赤飯の茶碗を逆さに伏せておがらを指す事や、六地蔵を回るなどのしきたりは消え、お供えのお下がりも餓鬼道へ落ちないために、乳児まで各家庭へ配られたが、今は子供会で分配傾向になっているようです。

大阪府文化財愛護推進委員 加藤 孜子(あつこ)

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