■工場立地法とは
工場立地法は、工場立地が周辺地域の生活環境との調和を図りつつ適正に行われることを目的として、生産施設、緑地及び環境施設のそれぞれの面積の敷地面積に対する割合等を定め、一定規模以上の工場等を新設又は変更する際に、事前に市町村へ届け出ることを義務付けています。
■制度の流れ
〇届出
以下の「届出について」に従い、届出ください。
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〇審査
市は、工場立地に関する準則に適合しているかを検証します。
1.敷地面積に対する生産施設面積の割合:30~65%以下(業種によって8段階に区分)
2.敷地面積に対する緑地面積の割合:20%以上
3.敷地面積に対する環境施設面積の割合(含む緑地):25%以上
※既存工場(昭和49年6月28日以前に設置されている工場)等に対しては、生産施設の変更等の際、順次緑地の整備を求める措置が設けられています。
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(準則不適合等の場合)
勧告に従わない場合は変更命令、命令に違反した場合は罰則が適用されることがありますので注意してください。
■届出について
1.届出が必要な工場(特定工場)の条件
以下の条件を満たす工場は特定工場となります。
●業種
製造業、電気・ガス・熱供給事業(水力、地熱及び太陽光発電所は除く)
注 : 日本標準産業分類によります。
●規模
・敷地面積が9,000平方メートル以上
・建築面積が3,000平方メートル以上
のいずれかの条件を満たす工場
注 : 建築面積:工場等の建築物の水平投影面積をいい、その測り方は建築基準法施行令第2条第1項第2号の規定によります。
2.特定工場で届出が必要な場合
特定工場の新設又は変更をしようとするときは、工場立地法により、届出が受理された日から90日を経過した後でなければ、新設又は変更をしてはならないとされています(実施制限期間は短縮が認められる場合があります)。
■事前の届出
(1)新設の届出(法第6条、施行令第1条、第2条)
製造業(物品の加工修理業を含む。)、電気供給業(水力・地熱発電所・太陽光発電所を除く。)、ガス供給業又は熱供給業に係る工場又は事業場であって、その規模が下記のいずれかに該当するもの(「特定工場」といいます。)を新設する場合は、届出を要します。なお、用途の変更又は敷地面積もしくは建築物の建築面積を増加することにより特定工場となる場合も同様に届出を要します。
(2)変更の届出(法第8条、一部改正法附則第3条)
1_新設の届出又は上に述べたような届出をしたものが、その後さらに変更をする場合もそのたびごとに届出を要します。(法第8条)
2_既存工場(昭和49年6月28日に設置されている工場等又は設置のための工事が行われている工場等)で特定工場の規模を有するものが、昭和49年6月29日以後に下記ア~オに係る変更(工場の増設、スクラップ&ビルド等)を行う場合は届出を要します。(一部改正法附則第3条)
ア.製品
イ.敷地面積
ウ.建築面積
エ.生産施設面積
オ.緑地及び環境施設の面積並びに配置
(3)実施制限期間の短縮の申請(法第11条)
届出が受理された日から90日を経過した後でなければ、原則として工場の新設、又は変更に当たって最初に必要となる埋立工事、造成工事、施設建設工事等は開始できません。なお、その内容が相当であると認められるときは、実施制限期間が短縮される場合があります。原則として、準則(生産施設面積率、緑地面積率、環境施設面接率、環境施設の配置等の基準)に適合している場合に短縮を認めています。
実施制限期間の短縮を申請する場合の新設(変更)届出書類一式 (DOCX 61.1KB)
■事後の届出
(1)氏名・名称・住所の変更及び地位の承継(法第12条、第13条)
氏名、名称・住所の変更及び地位の承継が行われた場合も届出を要します。
※法人の場合、代表者の変更は届出を要しません。
(2)廃止の届出
廃業又は特定工場でなくなった場合は届出ください。
■変更の届出を要しない軽微な変更(法第8条、一部改正法附則第3条、施行規則第9条)
・生産施設、緑地又は環境施設の面積並びに環境施設の配置の変更を伴わない建築面積の変更
・生産施設の修繕によるその面積の変更であって、その修繕に伴い増加する面積の合計が30平方メートル未満のもの
・特定工場に係る生産施設の撤去
・特定工場に係る緑地又は緑地以外の環境施設の増加
・緑地又は緑地以外の環境施設の移設であって、それぞれの面積の減少を伴わないもの(周辺の地域の生活環境の保持に支障を及ぼすおそれがないものに限る。)
・特定工場に係る緑地の削減によるその面積の変更であって、当該削減によって減少する面積の合計が10平方メートル以下のもの(保安上その他やむを得ない事由により速やかに行う必要がある場合に限る。)
■勧告、変更命令について(法第9条、法第10条)
届出に係る事項が、生産施設面積や緑地面積の敷地面積に対する割合等について定めた工場立地に関する準則に適合しない場合等については、届出の日から60日以内に勧告を受けることがあります。また、勧告に従わない場合は、届出の日から90日以内に変更命令を受けることがあります。
■罰則について(法第16条~第20条)
以下に該当する場合は、懲役を含む罰則が課せられますので、ご注意ください。
・届出をせず又は虚偽の届出をした場合
・実施の制限に違反した場合
・変更命令に違反した場合
■関連リンク
工場立地法に関する詳細については下記リンク先をご参照ください。
〇経済産業省 > 工場立地法<外部リンク>
工場立地法に関する最新情報や概要、関連法令など。
○経済産業省 > 工場立地法解説(PDFファイル)<外部リンク>
工場立地法届出書作成要領や記入例、各種面積率の計算方法など詳細資料。
※一部法改正の内容が反映されていませんので、法令部分は政省令・告示を参照してください。