素敵に生きよう Vol.16(2002年4月号広報掲載)
女性の人権とメディア・リテラシー
~メディアが伝える情報を正しく読み解く力をつけよう~
私たちは、毎日好むと好まざるにかかわらず、テレビ・ラジオや新聞・雑誌などのあらゆるメディアが送りだす情報の渦の中で生活しています。まちには、ポスターがあふれています。にっこりほほ笑む、おまけに水着の女性の姿。その女性とは全く関係のないメッセージを伝えようとしていることがよくあります。またテレビのCMなどでも、育児・家事・介護をするのは女性、仕事に行くのは男性という表現パターンがよく見られます。たった1 枚のポスター、何秒間のCM といえども、受け取り方はさまざまですが、同じ表現が繰り返し大量に送りだされると、受け手の意識に大きな影響を与えるようになります。
今、私たちが知っていることは、ほとんどがテレビや雑誌などメディアを通して得たものです。人生の大半をメディアとともに過ごすことになり、メディアが流す情報は知らず知らずの間に、私たちの物の見方、考え方にも大きな影響を与えるようになります。
例えば、女性の描き方ひとつをとってみても 固定的な男女の役割分担意識にとらわれた情報を受けることで、私たちはまた固定的なイメージを作り上げてしまい、多様な生き方を選びにくくなってしまいます。
そこで必要になってくるのが、「メディア・リテラシー」です。これは、私たちがメディアから何が伝えられて、何を伝えられずにいるかということを正しく読み解くとともに、多様な考え方を自ら発信していく力です。
メディア・ウォッチングの勧め
大阪府の「男女協働社会の実現をめざす表現の手引き(行政刊行物などの見直し)」では女性の人権・尊厳を守り、男女の平等な関係を描くためのメディア・リテラシーの3つのポイントを挙げています。
女性の描かれ方をこの3つのポイントに気をつけてメディア・ウォッチングしてチェックしていくと、いろいろなことに気づきます。高齢者・子ども・外国人の描かれ方なども、固定的な描かれ方をしていませんか。
限られた時間・スペースの中でメディアが伝える情報を、正しく理解して、多様な表現方法・コミュニケーション能力、いわゆるメディア・リテラシーを身につけていくことがこれからの情報社会で暮らしていくカギになりそうですね。
(参考)
