介護保険法に基づく指定居宅サービス等(※)の管理者については、原則として管理業務に専従することが求められていますが、「管理上支障がない場合は、当該事業所の他の業務に従事し、又は同一敷地内にある他の事業所、施設等の業務に従事することができる」とされています。
この管理者の兼務について、松原市では権限移譲元の大阪府における新規指定時の考え方(基本方針)を踏まえ、以下の通り取り扱います。なお、ここでいう「兼務」とは、例えば訪問介護事業所の管理者とサービス提供責任者の業務を、勤務時間帯を切り分けることなく、一日の勤務時間を通して同時並行的に両方の職務を行っている場合をいいます。
※居宅サービス、介護予防サービス、地域密着型サービス、地域密着型介護予防サービス、居宅介護支援、介護予防支援、第1号事業(総合事業)
【参考:大阪府HP】介護保険法の新規指定申請における居宅サービス事業所等の管理者の兼務について
「管理上支障がない」と考えられる事例
一般的に「管理上支障がない」と考えられるのは、以下の(1)又は(2)のいずれかに該当する場合です。その他の事例については一律に認めないものではなく、同時並行的に両方の職務を行うことで管理上支障がないかどうか個別事情により判断します。
(1)同一事業所内における兼務
同一事業所内における兼務の事例としては以下のとおりです。ただし、複数の事例があるサービスにおいて、3職種を兼務することは認められません。
なお、一体的に事業を運営している居宅・地域密着型サービス事業所と介護予防サービス事業所(または第1号事業所)などは、一つの事業所とみなします。
サービス種別 |
一般的に支障がないと考えられる事例 |
訪問介護 |
管理者とサービス提供責任者 |
訪問看護 |
管理者と訪問看護員 |
福祉用具貸与 特定福祉用具販売 |
管理者と専門相談員(両サービスの兼務も可能) |
通所介護 短期入所生活介護(単独型) 地域密着型通所介護 認知症対応型通所介護 |
管理者と生活相談員 |
特定施設入居者生活介護 |
管理者と生活相談員 管理者と計画作成担当者 |
定期巡回・随時対応型訪問介護看護 |
管理者とオペレーター 管理者と計画作成責任者 |
小規模多機能型居宅介護 看護小規模多機能型居宅介護 |
管理者と介護支援専門員 |
認知症対応型共同生活介護 |
管理者と計画作成担当者 |
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護 |
管理者と生活相談員 管理者と介護支援専門員 |
居宅介護支援 介護予防支援 |
管理者と介護支援専門員 |
(2)併設する他の事業所との兼務
併設する他の事業所との兼務は、原則として管理者のみの兼務が可能です。ただし、3つ以上の事業所が併設する場合に、その全ての管理者を兼務するなど、3職種以上の兼務は認められません。
なお「併設」とは、同一敷地内にある又は道路を隔てて隣接する等、特に当該事業所の管理業務に支障がないと認められる範囲内に他の事業所、施設等がある場合をいいます。
その他の兼務をする場合
上記以外の事例、特に介護職員や機能訓練指導員等の直接処遇職員との兼務については管理上支障がある可能性が高いとみなしますが、一律に認めないものではなく、それぞれの事業所の個別事情により判断します。この場合、当該兼務によって管理上支障をきたすことなく、管理者としての責務を果たすことについて、誓約書を提出していただきます。
留意事項
手厚い体制を評価する加算については、加算要件の趣旨から、管理者以外の従事者で加算要件を満たす必要があります。そのため、通所介護事業所等における、介護職員の常勤換算数が要件となるサービス提供体制強化加算や、専従の機能訓練指導員の配置が要件となる個別機能訓練加算などを算定する場合、管理者との兼務は認められません。