第8話 高見神社の神様は女性

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松原で生まれ育った、昔から伝えられている民話をご紹介します

高見神社の神様は女性

松原の民話第8話(2003年2月)

 松原の民話には、ほかの地に類の少ない古代民話が残っています。しかも、これらの語り始めの言葉が共通していて「むかぁ~し、むかぁ~し、まだ人間も神さんも動物もみぃ~んな、仲良う暮らしてた頃の事やけど」から始まっています。特に、竹ノ内街道沿いに多く集中していますが、長尾街道、住吉街道沿いにもたくさん残っています。

 このお話は、馬に蹴られたお地蔵様が祀られてある、敬念寺の南側を通る住吉街道沿いにある高見神社に伝わるお話です。昔から高見神社の神様は、夜にお参りに行っても留守なので昼間に参らねばならないと伝えられています。現在は建て替えられて見ることが出来ませんが、建て替えられる前の神社の屋根には女性のシンボルが掲げられていたそうです。

 さて、ずうっとずうっと昔のこと、松原には、反正天皇と呼ばれるご立派な天皇が今の柴籬神社がある場所に御在所あそばされていたそうです。この天皇は人々の幸せを望み、村々をあちらこちらと馬を走らせて、人々の生活の様子をご覧になる事を日課としていらっしゃったそうです。そのような天皇でしたので、松原の人々はこの天皇を大層慕い、人間も神さんも動物も、みぃ~んな仲良う暮らしていたそうで、五穀は豊穣、天下太平で、人々は田畑を耕して春は緑の芽をふき、秋は黄金色に輝き、狐や人間の子供は野を駆けめぐり鳥は天を舞い天地満ちた喜びの日々を送っていたそうです。

 そんなある日のこと、いつものように天皇が馬を走らせて高見神社あたりまでこられた時の事でした。頭の高さより高く藁把をたっぷりと背中に背負った少女が、周りをゆっくりと眺めて満足そうな笑みを浮かべている姿に出会いました。天皇は、その少女の自信に満ちた堂々とした姿を不信に思い「どうしてそのように満足な笑顔で立っているのか」と尋ねられたそうです。すると少女は「私は田畑も持たず、こうして藁を売り歩く貧しい者ですが、この地に立って噂の通りの天皇である事を知り、この地で生活をしようと決めたところです」と、しっかりとした口調で答えたそうです。そこで天皇はかさねてその意味を問うと、「ご覧下さい。この場所はこの辺りでは一番高い所にあります。この地で周りを眺めると、あちらこちらから夕食の支度をしているかまどの煙が、豊かな生活を象徴するようにたち昇っております」と答えたと伝えられています。

 この出会いがあってから、天皇はこの利発な少女を大層気にいられて、出会った地を「高見ノ里」と名付けられ、少女をこの地に住まわされたといわれてています。伝えられている話によりますと、やがてこの少女が天皇と結婚して高見神社にお住まいになり、柴垣神社へ夜になるとかよい妻となってお出かけになるのだそうです。

 高見神社の御祭神は、女神でシンメイ様と伝えられていますが、この少女であるという証拠は何も残っていません。

大阪府文化財愛護推進委員 加藤 孜子(あつこ)

高見神社の写真

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