- 名称:来迎寺木造阿弥陀如来立像(らいごうじ もくぞう あみだにょらいりゅうぞう)
- 種類:松原市指定有形文化財 美術工芸品 彫刻 彫第5号
- 員数:1躯(く)
- 時代:平安時代中期(10世紀)
- 所在地:大阪府松原市丹南3丁目1番22号
- 所有者:宗教法人 来迎寺
- 指定年月日:令和4年(2022)6月24日
説明
概要
融通念佛宗(ゆうずうねんぶつしゅう)の諸仏山護念院来迎寺(しょぶつざんごねんいんらいごうじ)に安置される阿弥陀如来像です。頭と体の主要な部分をカヤと思われる針葉樹系の一木から彫出した一木造で、像高102.4センチメートル(3尺3寸7分)、髪際(はっさい)高94.2センチメートル(3尺1寸)をはかります。
像の頭部は地髪(じはつ)と肉髻(にっけい)の境目が不明瞭で、大振りな螺髪(らほつ)を刻みます。頬の張った面相(めんそう)部に目尻が上がる切れ長の細い眼とよく通った鼻筋を彫出し、厚みのある上唇などの表現も相まって、厳かな表情を見せています。引き締まった体軀(たいく)には衲衣(のうえ)と偏衫(へんさん)をまとい、着衣に見られる衣文(えもん)は浅く鎬立った稜線と深い彫りが交互に表され、両袖の裾がやや外側に翻ります。掌は第一指と第二指を相捻(あいねん)じて来迎印(らいごういん)を結びます。
厳かな表情などから制作時期は平安(へいあん)時代中期(10世紀)と考えられます。延暦寺根本中堂薬師如来像を模したとされる作例に近い造形性が窺われ、両手先が後補であることから、元は天台系薬師として造立された可能性があります。
この像は、現在、来迎寺に客仏として祀られていますが、元は堺市美原区大保(だいほ)にあった西福寺(さいふくじ)の本尊でした。この地域には、古代瓦の採取例があり古文書に平安時代末の寺院が存在した記録も残っていることから、古来よりこの地で信仰を集めてきたと考えられます。
資料
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『松原市内所在の文化財総合調査1-丹南・来迎寺-』のページに移動する
外部リンク
オープンデータ
文化財一覧データセット(松原市/松原市オープンデータカタログサイト)